公開日:2025.11.27
更新日:2025.11.27
銘柄牛(ブランド牛)と普通の牛肉は何が違う? 代表的な銘柄牛とその特徴
大切な人への贈り物としても、ちょっと豪華な食事としても人気が高い高級牛肉。中でも「銘柄牛(ブランド牛)」は高級牛肉として有名です。
松阪牛や近江牛などが有名ですが、銘柄牛ごとにどのような特徴を持っているのかご存じでしょうか。
ここでは、銘柄牛と普通の牛肉の違いや、代表的な銘柄牛の特徴などをご紹介します。
01.
銘柄牛(ブランド牛)と和牛は何が違う?
スーパーなどの精肉コーナーを見ると、「和牛」や「国産牛」「外国産牛」などという記載を見かけるはずです。外国産牛は名前のとおり、外国で育てられた牛ということがわかりますが、和牛と国産牛は何が異なるのでしょうか。
和牛は、一般的には黒毛和種・褐毛和種・日本短角種・無角和種の4品種のことを指します。国産牛は、日本国内で飼育された期間が最も長い牛のことです。外国で生まれ育った牛だとしても、日本に来てから育てられた期間の方が長ければ、国産牛と表示されます。
国産牛については、どのような品種かを問いません。
「銘柄牛」または「ブランド牛」は、和牛の中でも産地や飼育条件などの基準を満たした牛です。全国的に統一された定義はなく、各地域の団体が定める基準を満たした牛が銘柄牛となります。
例えば、有名な「松阪牛」を生産している三重県松阪市周辺で育てられた牛だとしても、飼育条件や品質などの基準を満たしていないと、松阪牛を名乗ることはできません。
02.
代表的な銘柄牛
銘柄牛は、全国に320種類以上あるとされています。品種ごとに飼育環境が異なるため、その味わいもさまざまです。
代表的な銘柄牛の特徴をご紹介するので、牛肉を選ぶ際の参考にしてみてはいかがでしょうか。
ふらの和牛(北海道)
北海道の富良野盆地にある牧場で生産されているブランド牛です。品種は黒毛和牛で、3等級以上の格付けを持った牛だけが認定されます。
独自配合の飼料や清らかな水などで育成されたふらの和牛の特徴は、肉のうま味と甘み。脂の融点が低く、食べた瞬間にうま味が口に広がる口溶けの良さも魅力です。
十勝いけだ牛(北海道)
十勝いけだ牛は、北海道十勝地方の池田町で生産されるブランド牛です。毛色が褐色の「褐毛和種(あか牛)」に分類されます。
池田町で作られている十勝ワインを製造する際に発生するワイン澱(おり)や絞り粕を飼料にしており、柔らかな肉質と甘みを楽しめます。
適度な脂のりで、脂の甘みを感じられながらもヘルシーな点も見逃せません。
いわて短角牛(岩手県)
岩手県で生産される日本短角種のブランド牛です。自然交配で生産され、自然の中で放牧されて育てられています。
子牛は母牛と一緒に育てられ、小さい頃は主に母乳を使って育てられます。
霜降りが少なくヘルシーな赤身肉で、赤身ならではの食感とお肉本来のうまみを味わえます。
山形牛(山形県)
深い赤身の味わいととろけるような脂が魅力の銘柄牛です。山形県内で最も長く肥育・育成された未経産または去勢済みの黒毛和種で、肉質4等級以上という基準をクリアした牛肉が山形牛となります。
山形県の豊かな自然の中でじっくりと飼育することでストレスを抑えた結果、きめ細かな肉質になるとされています。
繊細で細かな霜降りと、軽やかですっきりした脂の甘みが特徴です。赤身と脂身のバランスが良く、牛肉ならではの味わいを楽しめます。
米沢牛(山形県)
米沢牛は山形県置賜エリアで生産される代表的な銘柄牛で、団体に認定された飼育者が育てた黒毛和牛かつ、3等級以上の肉質を持つものだけが認定されます。
山形牛とは異なりメスしか米沢牛を名乗ることはできません。
豊かな香りと濃い味わい、柔らかい肉質を楽しむことができる高級牛肉で、日本三大和牛のひとつに数えられることもあります。
常陸牛(茨城県)
茨城県を代表する、黒毛和種の銘柄牛です。30カ月に渡り、徹底した管理の中で育てられる和牛の中でも、4または5等級に格付けされたものだけが常陸牛を名乗ることができます。
濃厚な味わいや甘みのある脂、やわらかな肉質が特徴で、ステーキやすき焼き、焼肉など、さまざまな方法でおいしく食べられます。
飛騨牛(岐阜県)
岐阜県の豊かな自然の中で育てられた黒毛和牛です。複数の基準をクリアした黒毛和牛だけが飛騨牛と呼ばれます。
きめ細かく柔らかな肉質と、口どけの良い食感、豊かな香りと味わいが魅力で、贈答品としても人気です。
しゃぶしゃぶやすき焼き、ステーキなど、さまざまな料理で楽しめます。
近江牛(滋賀県)
近江牛は日本三大和牛としても有名な黒毛和牛です。銘柄牛の中でも長い歴史を持つ牛で、肉食が禁じられていた江戸時代にも将軍家に献上されていました。
甘みがあり見た目も美しい霜降りや、豊かな香り、口の中に入れるととろけるような味わいが魅力です。
その味わいは高く評価されており、多くの名店でも使われています。
松阪牛(三重県)
日本三大和牛にも数えられる有名な銘柄牛です。三重県松阪市周辺で育てられる黒毛和牛の中でも、未経産のメス・生後12カ月までに松阪牛生産区域に導入され、その後は生産区域内で育てられているなどの基準をクリアしたものだけが松阪牛となります。
きめ細かな霜降りと柔らかな食感、脂の甘みや芳醇な香りが特徴で、その美しさは「肉の芸術品」と評されることもあるほど。すき焼きやステーキなど、さまざまな料理でお肉のおいしさを楽しめます。
また、個体識別番号によって各個体が管理されているため、安心して楽しみやすい点も特徴です。
神戸ビーフ・神戸牛(兵庫県)
日本三大和牛に数えられる神戸ビーフ(神戸牛)も、世界的に知名度の高い銘柄牛です。指定農家に育てられた兵庫県産の但馬牛(たじまうし/黒毛和種の和牛)の中から、非常に厳格な条件を満たしたものだけが神戸ビーフを名乗ることができます。
きめ細かな肉質と豊かな甘み、融点が低く口の中でとろける霜降りを楽しめる、銘柄牛の中でも特に高品質な牛肉です。
三田和牛(兵庫県)
兵庫県三田地区を中心に育てられた黒毛和牛です。価格が高い神戸ビーフの質を落とすことなく、手にしやすい価格で流通させたいという気持ちから開発されました。
そのため、神戸ビーフとは知名度の差はあるものの、品質には大きな差はありません。
恵まれた環境で育てられた三田和牛は、きめ細かな肉質と口どけの良さを楽しめます。
オリーブ牛(香川県)
オリーブ牛は、搾油した後のオリーブの実を与えて育てられているのが特徴の銘柄牛です。柔らかい肉質と程よい脂で、コクがありながらもさっぱりと食べることができます。
他の牛肉とは異なる独特の風味を楽しめます。
しまね和牛(島根県)
島根県内で生産された黒毛和牛の中でも、肉質等級がA2またはB2以上、去勢済みのオスまたは未経産のメスであることなどの条件を満たしたものが「しまね和牛」と呼ばれます。
和牛のオリンピックと呼ばれることもある「全国和牛能力共進会」で2回の内閣総理大臣賞を受賞するなど、その肉質は高い評価を受けています。
雑味が少なくうま味を感じやすいのが味わいの特徴です。お肉本来の柔らかさやジューシーさ、しつこくない脂のうま味を感じられます。
焼肉やすき焼きはもちろん、肉質の柔らかさを生かしてローストビーフにしてもおいしく食べられます。
宮崎牛(宮崎県)
全国和牛能力共進会で4大会続けて内閣総理大臣賞を受賞したことがある、日本を代表する銘柄牛のひとつです。
宮崎県産の黒毛和牛の中から厳しい基準を満たしたものだけが、宮崎牛に認定されます。
恵まれた環境で良質な餌を食べながら育てられた宮崎牛の魅力は、その肉質の良さ。さらに、コクのある風味や肉の甘み、豊かな香りを感じられる味わいも絶品です。
03.
銘柄牛の上質な味わいを楽しもう
銘柄牛は、産地や飼育方法にこだわり抜かれた、地域の誇りといえる存在です。和牛の中でも、各団体が定める厳しい基準を満たした牛だけが名乗れるため、その肉質や風味は格別。脂の甘みや赤身のうま味、きめ細かな霜降りなど、銘柄ごとに異なる個性を楽しめます。
贈り物としても、自分へのご褒美としても、銘柄牛は特別な時間を演出してくれる食材です。牛肉を選ぶときは、ぜひ銘柄牛の魅力に触れてみてください。
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