公開日:2025.08.13
更新日:2025.08.13
お歳暮の意味とマナー完全ガイド|贈る時期・金額・のしの書き方も解説
日本には、お世話になっている人に季節の挨拶として贈り物をする文化があります。年末の挨拶として、親戚や友人、知人にギフトを贈るのがお歳暮です。
しかし、ギフトの贈り方によってはむしろ失礼になってしまうこともあります。
この記事では、お歳暮を贈る前に知っておきたい、基本的なマナーをご紹介します。
01.
1年の感謝の気持ちを示すのが「お歳暮」
お歳暮は、普段お世話になっている人に、年間の感謝の気持ちを込めて贈るものです。
先祖の霊を迎える「御霊祭(みたままつり)」のために、実家にお供え物を持って行ったのがお歳暮の由来とされています。
お中元も似た意味を持つ贈り物ですが、お中元の季節は夏です。年末に贈るお歳暮の方が感謝の気持ちを込める意味合いが強く、お中元よりも重要視されます。
また、お歳暮は本来、直接会って渡すのが正式なマナーですが、お互いに忙しかったり、遠方に住んでいたりして難しいこともあります。インターネットサイトやスーパー、デパートで注文したギフトを宅配便で送っても問題はありません。
02.
お歳暮を贈る時のマナー【基本編】
せっかくお歳暮を用意したとしても、贈り方次第では相手に迷惑をかけてしまうことも考えられます。お歳暮を贈る時は、基本的なマナーを守ることが大切です。
贈る時期
本来、お歳暮は12月13日~12月20日に贈るものとされていますが、近年は早めに贈られることも増えています。関東地方は12月上旬~20日頃、関西地方は12月10日~20日頃が、お歳暮を贈る時期の目安です。
マナー上は年内に贈り物が届けば問題はありませんが、年末は帰省などで家を留守にする可能性がある点に注意してください。
ただし、お正月用の生鮮食品を早い時期に送ると、相手に迷惑がかかります。日持ちしない品物に関しては年末に届くように手配するなど、相手に配慮して配送時期を決めることが大切です。
やむを得ず年内を過ぎてしまった場合は、「お年賀」や「寒中見舞い」として贈ることもできます。お年賀は松の内(関東は1月7日、関西は1月15日)まで、寒中見舞いは松の内が明けてから立春(2月4日頃)までに贈るのが基本です。
贈る相手
基本的に、お歳暮は継続して贈り続けるものです。年によって贈ったり、贈らなかったりするのはマナー違反になります。会社の上司や両親、親戚、仲の良い友人など、来年以降も付き合いが続く方に贈ると良いでしょう。
お中元を贈った相手にはお歳暮も贈るのが基本のマナーです。
その年に特にお世話になった人に贈り物をしておきたい場合は、「御礼」などの名目で、お歳暮の時期を避けて贈ることをおすすめします。
また、公務員をはじめ、人からの贈答品を受け取ることができない職業の方がいる点にも注意が必要です。一般企業でも贈答品のやり取りを禁止していることがあるため、事前に確認をしておくと安心です。
贈る金額
お歳暮で贈る品物の金額に、これといった決まりはありません。とはいえ、お世話になった人に贈るものなので、あまりに安価な品物を選ぶのは避けましょう。
特別な事情がない限り、お歳暮は翌年以降も贈り続けるものです。金額を下げるのは失礼になるため、高額な品物を選ぶと贈る側の金銭的負担も増えます。
相手との関係性にもよりますが、基本は3,000~5,000円程度、特別にお世話になった方でも1万円程度を目安にしましょう。
お中元を贈っている方に対しては、お中元よりも2割ほど高い品物を贈ると良いとされています。
のし紙の書き方
お歳暮をはじめ、特別な贈答品はのし紙で包んで渡すのがマナーです。のし紙の使い分け方や、表書きの書き方などのマナーも覚えておきましょう。
【熨斗(のし)】
のし紙の右上にある飾りが「熨斗(のし)」です。乾燥させたアワビを模したもので、本来は魚介類や肉類といった生鮮食品にはつける必要がありません。
【水引】


のし紙に結ぶ飾り紐が水引です。複数の種類がありますが、お歳暮には「何度あっても良いこと」を表す紅白・蝶結びの水引を使います。
結び切りと呼ばれる水引は「一度切りであって欲しいこと」に使われるものなので、お歳暮では使いません。
【表書き】

贈り物の目的を示す文言が表書きです。お歳暮として贈るときの表書きは「御歳暮」となります。お歳暮の時期を逃してしまった場合は、松の内までは「御年賀」、立春までは「寒中御見舞」に表書きを変えて品物を贈りましょう。
松の内は多くの地域が1月7日までですが、関西では1月15日までとなっている点に注意が必要です。
挨拶状の同封も忘れずに
宅配便で送ることが増えたものの、本来のお歳暮は直接相手に会って、挨拶を添えて渡すのがマナーです。お歳暮を郵送する際は、品物だけ贈るのではなく、挨拶状(送り状)も同封しましょう。
挨拶状と品物を別々に送るのも問題ありませんが、その場合は挨拶状が先に届くようにしてください。
03.
こんな時はどうする?お歳暮の注意点
お歳暮を贈ったり、いただいたりした際は、さまざまなことで悩んでしまうもの。気になりやすいマナーや注意点としては、次の点が挙げられます。
贈り先が喪中の時は?
お歳暮は、その年の感謝の気持ちを示す贈り物です。喪中でも贈ることはできますが、四十九日が過ぎるのを待ってから贈ることをおすすめします。
品物を贈る際は、紅白の水引は避け、簡単な包装で包むようにしましょう。亡くなった方宛てにお歳暮を贈ったり、挨拶状に祝い言葉を書いたりするのは厳禁です。
また、新しい年になったことを喜ぶお年賀は慶事にあたります。喪中の相手に、お年賀として贈り物をするのは控えましょう。
年内にギフトを贈るのが難しいときは、1月7日(または15日)を過ぎてから、寒中見舞いとして贈ると丁寧です。
どんな品物を贈れば良い?
お歳暮を贈るからには、相手に喜んでもらいたいものです。相手の家族構成や趣味嗜好を考慮して、品物を選びましょう。
日持ちしやすい加工肉や、見た目が豪華な海産物、手軽に食べられるお惣菜などは、お歳暮の定番ギフトです。
また、年末は家族や友人と集まることが考えられます。鍋のセットやお酒など、多くの人と楽しめるギフトを贈るのもおすすめです。
お歳暮をもらったらお返しはいる?
お歳暮は、贈り主の感謝の気持ちを表す贈り物なので、いただいた側が何かお返しをする必要はありません。
ただし、品物が届いてから3日を目安に、お礼状を返すのが本来のマナーです。メールや電話で済ませてしまいがちですが、お礼状もしっかり出しておきましょう。
特にお世話になっている人からお歳暮をいただき、何らかのお返しをしたい時は、半額から同額程度の品物を「御礼」として贈るのがおすすめです。
翌年もお歳暮を贈る予定の方へのお返しであれば、時期に合わせてお歳暮やお年賀、寒中見舞いとして贈るのも良いでしょう。
04.
マナーを守って心のこもったギフトを贈ろう
お歳暮は、1年間の感謝の気持ちを伝える日本の大切な風習です。普段は会ったり、話したりする機会が少ない相手でも、お歳暮を贈ることで自分の気持ちを伝えられます。
しかし、マナーが守られていないと、相手にかえって不快な思いをさせてしまうかもしれません。贈る時期や金額、のし紙の書き方など、基本的なマナーを守ってお歳暮を贈ることを心がけましょう。
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