栗原先生に聞きました! 心をつなぐ 贈り物のマナー 栗原先生に聞きました! 心をつなぐ 贈り物のマナー

お礼状の書き方文例集

いまさら聞けない、聞きにくい?心をつたえる贈り物のマナーをマナーの達人栗原先生に聞きました。

  • お中元ってなんですか? そもそもお中元って?素朴な疑問にお答いたします。
  • お中元基礎の基礎 いつ?誰に?何を?そんなお悩みににお答えします。
  • こんなときはどうすれば? 時期を過ぎてしまった?贈ってはいけない相手って?そんなときのマナーについてお答えします。
  • 送り状とお礼状 お中元の目的は、気持ちを伝えあうため。だから、送り状もお礼状も手を抜かずに出しましょう。
  • 気をつけなければいけない贈り物 お中元は相手があってのこと。相手を不快にしないための最低限のルールをわきまえましょう。
贈り物に関する素朴な疑問にお答えします
栗原 道子(くりはら みちこ)

「話す・聴く・書く・読む」というコミュニケーション力の向上のため、相手の立場や気持ちを意識することが何より大切、と説くコミュニケーション研修会社(株)クレスコパートナーズ取締役。

TA分析やコーチング・メソッドに講師歴24年の経験を加えて、ビジネスの場を中心に活躍する人気講師。著書に「攻める!最短最強ビジネスマナー(KKベストセラーズ)」「これだけは知っておきたい「レポート・報告書」の基本と知識(フォレスト出版)」など。
ホームページ:http://www.cresco-partners.co.jp

お中元ってなんですか?

そもそもお中元って?

もともとは中国を起源とする道教の年中行事で、日本では仏教のお盆と結びついて先祖供養の品を配る習慣として定着しました。
現代ではお歳暮とともに、お世話になった方々への感謝の気持ちを表す“季節のご挨拶”といった意味合いでひろく使われています。

もっと気軽に、
コミュニケーションの道具として

けれど、品物をお贈りすることには抵抗がある、という方もいらっしゃるかもしれません。お世話になったお礼に、ということばかりでなく、親しい方の喜ぶ顔が見たい、心の距離を縮めたい方がいるといった時のちょっとしたコミュニケーションの道具として、あまり窮屈に考えず自由なアイディアで贈られてはいかがでしょうか?

自由な発想で、あなたらしく

とはいえ、ずっと昔から受け継がれてきたお中元という“贈り物文化”。
せっかくのこの時期だからこそ、あえてお中元というあらたまった演出もアリかもしれませんね。伝統的な文化を自由な発想で使いこなす、お品物選びだけでない、お中元の楽しみ方のひとつです。

お中元基礎の基礎

いつ贈ればいいの?

東日本では新暦(7月1日から15日)、西日本では旧暦(8月1日から15日)でお贈りするのが一般的とされてきましたが、最近では全国的に7月中を目安に贈る方が多いようです。なかには、混雑を避けて6月下旬に準備される方もいらっしゃいます。

誰に贈るの?

会社の上司など仕事関係の方はもちろん、ご両親様や親戚、仲人、友人や知人、習い事の先生、かかりつけのお医者様など、日ごろの感謝を何か形にしたいと思える方ならどなたでも。お中元というとあらたまり過ぎ、あるいは来年もと考えると負担だとお感じなら、「暑中お見舞(目上の方には暑中御伺い)」とされてはいかがでしょう?

何を贈ればいいの?

お中元といえばビールや冷たいスイーツなどが定番でしたが、最近では健康関連の商品や食品、カタログギフトなども人気で、金額的には3,000円から5,000円というあたりが一般的です。けれど、贈るあなたと先様の心が通い合うようなお品物が見つかれば、あまり金額に縛られる必要はないのではないでしょうか。

こんなときはどうすれば?

遅くなってしまったら?

季節感が希薄になった昨今ですが、立秋(8月7日ごろ)を過ぎて先様に着くような場合は「残暑御見舞(目上の方には残暑お伺い)」としましょう。とはいえ、やむを得ない場合を除いては、配達日指定を利用するなど、早めに発送手続きを済ませておくのがスマートです。

贈ってはいけない
相手や場合って?

決まったルールはありません。贈るかどうか、どんなお品物を贈るのかは、ケースバイケースで判断するしかないのです。ただ、どんな時でも先様の気持ちに十分配慮し、独りよがりな贈り物にならないよう気をつけましょう。また先様や自分が喪中の場合でも、お品物に配慮さえすれば、お贈りするのにさしつかえはありません。

贈っていない方からの
お中元が届いたら?

基本的にお中元のお返しは必要ありませんが、まずはすぐにお礼状を出しましょう。 もちろん親しい友人や家族に、同程度のお返しをすることはまったく問題ありません。取引先からのお中元、学校の先生に父兄から届いたお中元など、受け取るべきかの判断がとても難しい贈り物もあります。結局は、人それぞれのルールに基づいて判断するしかないのかもしれませんね。

送り状とお礼状

送り状(挨拶状)とお礼状

そもそもお中元の目的が、ただお品物を贈ることではなく、気持ちを伝え合うためだと考えれば、送り状(挨拶状)もお礼状も手を抜かずにぜひ早めに出しておきたいですね。もちろん、親しい間柄なら電話やメールでもかまいませんが、手紙で出す場合は次の文例をご参考になさってください。

熨斗(のし)と水引

「のし」は慶事の贈り物の際だけに使われますが、鮮魚、肉などには付けません。「内のし」「外のし」で迷われる方もいらっしゃるようですが、一般的には誰からどんな目的で贈るのかをはっきりするために「外のし」、それ以外は「内のし」と使い分けられます。地域による差もあるようですが、配送時の汚れを防ぐ意味でも基本的には「内のし」が無難です。
「水引」は慶弔いずれの場合にも使われますが、何度あってもいいお祝いの際には奇数本で花結びを、二度とあってはならないことの際には偶数本で結び切りを使います。ただし婚礼には5本2束の10本にするのが習わしです。

気をつけなければいけない贈り物

生鮮食品

先様のご在宅を確認しておきましょう。

履物や靴下

「踏む」ことになるため、目上の人に贈るのはふさわしくないとされています

時計や筆記具

「勤勉」を意味するため、目上の人に贈るのはふさわしくないとされています

4と9などの語呂合わせに関連する品物 不適当な意味の花言葉を持つお花
漢字表記の「手巾(てぎれ)」が「手切れ」を連想させるハンカチ 「切れる」という連想から刃物

お客さまへ

ここに書かれていることは、あくまで目安となる一般的な例ばかりです。こうでなければいけない、ということはありません。実際のお品物選びにあたっては、これらを参考にご自分のお立場と先様との関係、先様のお好みや状況を考えてお決めください。
いろいろな思いを巡らせ、なにを贈るか迷われているその時間も、じつはあなた様からの贈り物です。そんなふうに考えて、ぜひ贈り物をお楽しみいただきたいと思います。